境内を巡る
PRECINCT GUIDE
遍照院本堂。浅草六丁目の閑静な町なかにある。
遍照院へんじょういん
葛飾北斎ゆかりの支院
浅草寺の北東、浅草6丁目にある遍照院は浅草寺の支院のひとつ。その創建は詳らかではないが、安土桃山時代に順慶法印(慶長3年=1598寂)によって中興されたという。往時は安楽院と称し、寛文年間(1661~73)頃までは浅草寺一山の住職や安楽院檀徒などの火葬所であった。宝暦12年(1762)に遍照院と改称し、第17世照遵和尚(寛政元年=1789寂)は、江戸城内紅葉山にある徳川家廟所の御祈祷僧に選出され、遍照院を一山寺院の格式に発展させた。
遍照院の諸堂は大正12年(1923)の関東大震災で焼失し、現在の本堂は昭和39年(1964)の再建。本堂内の本尊は、阿弥陀如来坐像である。
遍照院は浮世絵師・葛飾北斎終焉の地としても知られている。かつて遍照院の境内西側には「狸長屋」という長屋が建ち、そこに北斎は住んでいた。北斎は生涯に93回転居したが、狸長屋が終の住み処となった。
本尊・阿弥陀如来像。